♪サンタァ ルゥチィアァァ サンタァァァァ ルチィアァァァ!!!!
一度は耳にしたことがある、「サンタルチア」の歌。
毎年12月13日は主にスカンジナビア諸国と南欧でキリスト教の聖人の一人聖ルチアの聖名祝日を祝う「聖ルチア祭」ですが、ドイツでは殆どお祝いされません。
しかし、地理的にも歴史的にも北欧と深いかかわりのある北東ドイツのバルト海沿岸の小さな村の教会で、20年来この「ルチア祭」があるのです。
その小さな村は、プレーロー(Prerow)。古くからのベルリン市民にはよく知られている夏のリゾート地で、海と森以外にはこれといったものはないのですが、それはそれは自然たっぷりで心身ともに癒される場所です。

とっぷりと日が暮れて、真っ暗な18:00。18世紀にたてられたレンガ造りの教会は満席。
牧師のお話があり、そして教会の照明がぐっと落とされると、火のついたロウソクの冠を被って、白い長いワンピースに赤いリボンで腰回りを結んである少女に続いて、火のついたロウソクを持った少女たちと一人の少年が歩きながら静かに「サンタルチア」の歌を歌って入場してきます。
これ、LEDなんかではなく、本物のロウソクです。このまま1時間ほど彼らの透き通るような美しい歌声で癒されながらも「あのロウソクの冠は大丈夫なのだろうか・・・」と頭の片隅で考えてしまったり。
ドイツではルチア祭は祝われないので、この合唱隊はスウェーデンからわざわざバルト海の小さな村に歌いにきてくれています。(牧師さんの素晴らしいコネクションのおかげ)
今年は今までのとは別の新しい合唱隊でしたが、指揮者の方の音楽への愛が詰まっていて、そして笛や、古い弦楽器を使っての伴奏がとても心地よく、特に唯一の少年の歌声がとても神聖に感じられました。
「アナと雪の女王」のオープニング曲がその少年のソロで歌われたのですが、鳥肌物でした!
そして、最後には参加者全員で「きよしこの夜 Stille Nacht, Heilige Nacht」を斉唱。
全てのプログラムが終わると、合唱隊はまた「サンタルチア」を静かに歌いながら教会を後にし、焚火会場へと向かっていきました。
が、あいにくの雨で、ちびっこ連れの私はあえなく断念。
伝統的に、焚火を囲みながら暖かい飲み物とクッキーがふるまわれます。
ドイツにいながらにして、北欧の文化に触れることができるのも、このドイツ北東地方の良いところなのかもしれません。