北東ドイツの港町ロストックの聖マリエン教会には、世界で一番すごい時計があります。
この時計をもっと知ってもらいたいがために、ガイドの仕事に就いたようなものです。
目次
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- 1. 7つの「すごい」理由
- 2. おすすめの鑑賞方法
- 3. 今夜の月を教えてくれる
- 4. アクセス
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1. 「すごい」理由
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- コロンブスがアメリカ大陸を発見する20年前、1472年に創られた時計。
- 同様のものはヨーロッパに点在しているが、装飾を含めほぼオリジナルの状態で今でも全ての機能が稼働しているのはロストックのものが唯一。
- からくり、時計、カレンダーの3つの部分から成り立つ。
- 高さ約11m、時計部分の面積約16㎡、とにかく大きい。
- 時計部分では現在の時間、12星座、月、月齢、月の形、月と太陽の位置関係が分かる。
- カレンダー部分はコンピュータを使わず計算された1枚のディスクが約150年使われる。
- ぜんまい式で、今でも毎朝時計の管理人がぜんまいを回している。
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その「すごい時計」とは、天文時計(Die Astronomische Uhr)。

2. おすすめの鑑賞方法
私のおすすめの時計の鑑賞方法は、人の少ない時間を見計らって、
時計の前に設置してあるベンチに座って、ただただ眺めること。
耳を澄ますと、時計が500年以上も同じようにゆったりと時を刻む音が聞こえます。
第二次世界大戦の際、ロストックもドイツの他の都市と同様爆撃を受けましたが、この天文時計が設置されているマリエン教会だけは奇跡的に大きな損傷を免れ、この時計も今にその姿を残しているのです。
3. 今夜の月を教えてくれる
この天文時計について書きたいことは山ほどあるのですが、今回は月の部分を。
この時計の真ん中には円い穴が開いていて、そこから顔が覗いたり隠れたりします。
実はこれはその時点での月の形が表示されているのです。
太陽が付いている針は1年で1周し、月が付いている針は約29日で1周します。
いずれの針も反時計回り。
月の形が変わるのは、地球と太陽と月の位置が関係しているのはご存知だと思いますが、
その位置関係が、この時計でなんと再現されています。
この時計はもっといろんなことを教えてくれます。
この続きは、また今度。
4.アクセス
聖マリエン教会 (St. Marienkirche・ザンクト マリーエンキルヒェ)
ロストック中央駅(Rostock Hauptbahnhof・ロストック ハウプトバーンホーフ)の地下から発着している、City方面の5番か6番の路面電車に乗って、3つ目の駅の新広場駅(Neuer Markt・ノイヤーマルクト)で下車(右手にピンク色の市庁舎の建物が見えます)。
広場越しに見える大きなトンガリの沢山ある建物が、聖マリエン教会です。
開館時間
【10月-4月】
月-土 10:00-16:00, 日 11:15-12:15
【5月-9月】
月-土 10:00-18:00, 日 11:15-17:00
入場料は無料ですが、お一人当たり2ユーロの寄付を入り口で募っています。